万馬券。狙って獲るあの快感を。

万馬券だけ、を、狙って、獲る。これだけ!

競馬のきっかけ

グラスワンダーが好きで競馬を始めた。

 

当時ダビスタをひたすらやってた。

土日の午後、GIの朝日杯3歳Sが民放で放映されている。

今でいう、朝日杯FS

化け物じみた強さで、他の馬に圧勝する栗毛。

掲示板に、レコードタイムの表示。

 

半端じゃなく強い。

 

ダビスタでもここまで強い馬って中々生まれないのに現実には生まれるんだなー!と実感。

 

 

 

その後実際の競馬をほとんど見ることは余り無く。

 

 

ほぼ1年後の年末。

グランプリ有馬記念って年末の恒例行事なんだなーと初めて知る。

時にまだ10代。

有馬記念は、強くても人気がないと出れないと知る。

これはダビスタと一緒。

というか、ダビスタ有馬記念と一緒にしてる。

 

へぇー、と気になっていると、そこにグラスワンダーの名前があった。

人気投票14位だった。

心底、意外であった。

1年前のあのパフォーマンスは、素人ながら、化け物じみて見えた。

それがなぜ人気が無いのか?

知りたくなる。

 

 

外国産馬

調教での終わった感。

この2点が一人歩きし、「外国産馬は早熟が多い」の声で本番も4番人気まで。

エアグルーヴメジロブライトセイウンスカイに次いで単勝15倍程度。

 

天皇賞秋馬の牝馬と、天皇賞春馬のマイナー血統馬と、2冠馬の同期マイナー血統馬。

対する外国産馬の怪物。

余りにも、美味しく見える。

 

 

やはりというか、約半馬身差でグラスワンダー完勝。

 

 

 

 

 

去る夏、グラスワンダーがGIに出る、ということをまた知る。

 

宝塚記念である。

 

そりゃぁ断然の人気になるだろうなー。と思う。

あの怪物をまた見たくなる。

 

このとき新聞を初めて買ってみる。

このときは、勿論130円程度のスポーツ新聞。

競馬ランを見る。

が、、、人気が割れてる。

そもそも、グラスワンダーが2番人気らしかった。

 

 

「2強対決」

 

 

文字躍る紙面。

単勝が1.5倍の馬がいる。

グラスワンダーが一緒に走るのに。

片割れのグラスワンダーほどに、寧ろそれより強い馬って誰やねん。

むしろ、グラスワンダーより人気になる馬って、なんぼやねん。

 

 

スペシャルウィークという馬らしい。

グラスワンダーと、同期らしい。

 

 

これが、因縁生む系譜の初陣。

スペシャルウィーク VS グラスワンダー

 

スペシャルウィークは、前年のダービーを武豊で勝利し、前年の有馬記念を回避。

当年の天皇賞春を取り、もちろん春3戦全勝の王道磐石ローテーションで宝塚記念へ。

 

当時外国産馬は出走できないレースとして、閉ざされていた天皇賞春含む王道。

グラスワンダーはその王道を歩めず、陰日なたを行くもエアジハードに躓いた春。

 

春競馬の締めくくり、宝塚記念

スペシャルウィークはこの秋に凱旋門賞。勝てば挑戦見据え取りこぼせない。

グラスワンダーはこの秋に世代最強を誇示すべくジャパンカップへ取りこぼせない。

両者メイチの仕上げ間違いなし。

 

なるほど2頭とも別のルートを次元の違うレースで歩んできたのだなと理解。

財布から預金から全て投入。

そんな馬通しなら馬連1点で十分、と28,000円かき集める。

初めてのWINS。

初めての後楽園。

 

 

今でも忘れない。

素人目にも、圧勝。

 

 

ゴール前直線、スペシャルウィークをまさに子ども扱いするグラスワンダー

国内の王道を歩んできたこのレース1番人気単勝1.5倍のサンデーサイレンス産駒の結晶に、3馬身差の圧勝。

 

 

【Wikipediaから引用】

スペシャルウィーク管理調教師 白井寿昭氏)

3馬身という差をつけられたスペシャルウィーク陣営からも「マークされたのは確かでも、反対に相手にマークして進んだとしても、今日は勝てなかっただろう。こんなボコボコした馬場は合わないが、あの馬の瞬発力が上だった」

 

スペシャルウィーク鞍上武豊騎手)

「並ばれたときにもう手応えが違った。完敗だ」

 

という言葉が聞かれた。

 

なお、スペシャルウィーク宝塚記念の内容次第で、エルコンドルパサーも目標としていたフランス・凱旋門賞への遠征を計画していたが、この敗戦を受けて立ち消えとなった。

 

 

レースもそうだが、WINSの雰囲気にも震えた。

初めて馬券を購入して、其の日のうちに初めての払い戻しまで受ける。

数分後に、なんと2倍近い金額になっている。

 

あ、競馬って簡単なんだな。

 

と錯覚してしまう。笑

 

 

このレースをきっかけに、スペシャルウィークの世界挑戦は白紙に。

グラスワンダーも残す同世代有名馬はエルコンドルパサーのみになるものの、対決が実現しない。

 

其の年の暮れ。

グランプリ有馬記念で因縁の対決が実現。

スペシャルウィーク天皇賞秋、ジャパンカップと連勝し、引退レースとして有馬記念へ。

グラスワンダー毎日王冠から始動するも調整が難航し有馬記念へぶっつけ本番。

 

またも有り金をかき集める。

この2頭の馬連1点。

化け物2頭のレースは、これが最後になる。

 

 

 

知っている人は多いと思うこのレース。

WINSのTVでも、どちらが勝ったか瞬時に判断は出来なかった。

グラスワンダーが抜け出し、ゴール板寸前スペシャルウィークが強襲。

ゴール板時点で、見た目同着。

そしてゴール板通過1m後には、すでにスペシャルウィークが抜けてるような勢いの差が有った。

 

 

掲示板は写真判定

長かった。

この写真判定までの待ち時間が、後にも先にも一番長いと思う。

 

スペシャルウィークのラストラン。

因縁の対決を鞍上から制した手ごたえのあった武豊は、スペシャルウィークウィニングランへ向かわせ、スタンドに2度3度ガッツポーズを作る。

 

対するグラスワンダーと的場騎手。

大ベテランの的場にして、「負けたと思った」との感触から早々と地下馬道へ下がる。

長い写真判定

 

判定結果は、当時話題になった「1/2鼻差」

約1.5cmの差で、ゴール地点ではグラスワンダーが先に出ていた。

 

1着 7 グラスワンダー

2着 3 スペシャルウィーク

 

 

 

 

 

競馬にのめりこむきっかけをくれた2頭。

この後の3強オペラオーとトップロード、アドマイヤベガ

神馬アグネスタキオン

エアシャカールアグネスフライトに掛かった師弟のダービー

キンカメ、アパパネディープインパクトの金子馬全盛

記憶に残るヒシミラクル

ギムレットと其の仔ウォッカの夢

JRAアンカツ移籍とダイワスカーレット

震災年のドバイWCにおけるヴィクトワールピサトランセンド

異端ステイゴールドの遺伝子オルフェーブル

ブエナビスタジェンティルドンナに見た牝馬の時代

 

あれからどんなに強い馬が出てきても、この2頭が対峙したレース以上のわくわく感は得られない。